妊婦健診(2) さかご

  • 2017.12.29 Friday
  • 17:06

妊婦健診で確認する項目のひとつに、

逆子(さかご)かどうか

があります。

 

     さかご(骨盤位)
       頭位

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「赤ちゃんの向き、今どうなってますか?」

とよく聞かれるのですが、

20週位までは頻繁にグルグル回っているので、

週数が浅い時期には、実はコレ答えにくい質問です。

 

医師にもよりますが、こちらから逆子についてお知らせするのは30週前後からになります。

その間(20週台)はどうかというと、

逆子と知ると不安になる妊婦さんも結構いるので、積極的にはお伝えしていません。

自然に逆子が直るケースが圧倒的に多いですから、放っておいて大丈夫なんです。

妊婦健診の度に頭の位置が入れ替わる子もいます。

予定日近くになって急に逆子になってしまう「困ったちゃん」もいます。

 

最終的に逆子が直らない方も少数ながらいます。

でも、逆子を直す確実な方法って、ないんです。

30週を過ぎればお母さんには逆子体操(胸膝位)を指導しますし、

医療者は「外回転術」という方法を行うこともあります。

だけど、お母さんが頑張っても、医師が頑張っても、直らない時は直りません。

逆に何もしなくても、直るときは直ります。その頻度の方が高いです。

 

             胸膝位(逆子体操)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

外回転術とは、無理やり(かつ愛護的に)お腹の外から赤ちゃんのお尻または頭を押して、

逆子を治す方法です。医師が行います。

しかしこれで100%直る訳ではありません。

低頻度ながら、重篤な合併症もあります。

お腹を強く押さなければならないので、

処置中または処置後に赤ちゃんの状態が悪化してしまうことがあります。

胎盤が剥がれ始めてしまう「常位胎盤早期剥離」が起こるのが最悪のケースです。

こうなると、赤ちゃんを助けるために速やかに帝王切開を行わないといけません。

 

妊娠後期になると羊水量も減り、

赤ちゃんも大きくなるので外回転術は成功しにくくなります。

でも30週台前半の早い時期に実施して赤ちゃんの状態が悪化してしまうと、

赤ちゃんが成熟していないにも関わらず急いで赤ちゃんを出してあげなければなりません。

早産児・低出生体重児の場合は新生児集中治療室での治療が必要です。

 

ではいつ頃に外回転術を行うべきか。

早すぎても遅すぎてもいけないので、

36週頃に実施するべきとされています。

 

気を揉んでしまうでしょうけれど、

逆子体操をやってみましょう。

効果としてはおまじない程度かもしれませんが、

帝王切開の入院日に、上手くひっくり返ってくれた赤ちゃんが最近もいましたよ。

妊婦健診(1)

  • 2017.12.26 Tuesday
  • 20:27

妊婦健診の最大の目的は、

妊娠予後に影響を与え得る合併症を見つけ出すことです。

例えば切迫流産・早産、妊娠高血圧症候群、前置胎盤、胎児発育不全など。

また、妊婦健診のついでに赤ちゃんのお顔が見えたり、性別がわかったりすると楽しいですね。

 

妊婦健診で毎回行うのは、

体重測定、血圧測定、尿検査(たんぱく・糖)です。

超音波検査(エコー)も毎回行います。

従来は子宮底長・腹囲を測定することで、胎児の発育具合を評価していました。

その名残で母子手帳にも子宮底長や腹囲の記入欄があります。

しかし実際、子宮底長・腹囲測定にはあまり意味がありません。

母体の計測より、赤ちゃんの大きさをなんとなく(推し)測る程度ですから。

エコーでは、赤ちゃんの頭・お腹・太ももの骨など各パーツの計測を行い、推定体重を算出します。

どちらが赤ちゃんの発育具合を評価するのに適しているか、考える余地もありませんよね。

日本ではほぼ全ての医療機関で、妊婦健診の際には毎回エコー検査を行います。

ですので、母子手帳の記入欄こそ残っていますが、

医学的には、腹囲・子宮底長の計測は行う必要はないのです。

 

エコーではその他に、

初期には異所性(子宮外)妊娠や胞状奇胎、多胎(双子、三つ子・・・)など異常妊娠ではないか、

また子宮・卵巣の異常がないかなどを評価します。

最終月経から決定した分娩予定日が適切かどうかを判定することもポイントです。

中期以降は、流早産徴候を評価したり、赤ちゃんの向き(さかご?)を確認したり、

巨大児の疑いや発育不全がないかを評価します。

 

エコー以外の妊婦健診の内容は以下の通りです。

  • 7〜10週頃
    • 正常妊娠と診断出来たら、採血による血液型・感染症の検査、子宮がん検査
    • 感染症はB型肝炎、C型肝炎、梅毒、HIV、HTLV-1、風しん抗体検査など
  • 20週前後:子宮頸管長の評価と前置胎盤の有無の確認、クラミジア検査
  • 24〜26週:採血による妊娠糖尿病の検査
  • 35〜37週:おりもの(外陰部)の細菌検査
  • 38週頃〜
    • NST(ノンストレステスト)による赤ちゃんの健康状態の評価、
    • 内診による子宮口の開き具合・児頭の下がり具合の評価

 

妊婦健診の間隔の目安は以下の通りです。

  • 妊娠初期〜11週末までに3回程度
  • 12〜23週末:4週ごと
  • 24〜35週末:2週ごと
  • 36〜40週末:1週ごと
  • 41週〜:週に2回以上

 

日本の妊婦健診は、相当に手厚いものです。その手厚さにより、

日本の周産期死亡率(赤ちゃんの死亡率)・妊産婦死亡率の低さは世界トップクラスの水準を保っています。

 

大鳥居医院の妊婦健診では、条件さえ良ければ(尚且つ、混んでいなければ…)毎回4Dエコーも実施しています。

子宮頸がんワクチン (1)接種推奨

  • 2017.12.11 Monday
  • 23:00

子宮頸がんワクチンについて、日本産科婦人科学会から新たな声明が出されました。

お願いします、是非この声明を読んで下さい!

 

大鳥居医院のサイトでも申し上げているように、

私は子宮頸がんワクチン接種を強く推奨しております。

ブログ上ではありますが、大声で推奨しております。

 

若い女性に増えている子宮頸がん…、

子宮を奪うんです。命を奪うんです。

子供が産めなくなるんです、子供の成長を見守れなくなるんです。

こんなに悲しいことはありません。

 

乳がんも若年〜子育て世代に多い病気です。

乳がんは、現状では残念ながら早期発見しかできません。

子宮頸がんは早期発見も出来るし、

ワクチンを打てば大半が予防出来るんです!

 

報道には偏りがあります。

おそらく多くの一般の方は、

「子宮頸がんワクチン=強い副作用」のイメージが強いと思います。

しかし調査の結果、

子宮頸がんワクチン接種と、接種後に偶発的に生じた疼痛などの症状には

因果関係は認められませんでした。

つまり副作用とは認められませんでした。

この事実は、私の知る限りでは大々的には報道されていないと思います。

子宮頸がんワクチンには、悪いイメージだけが残っています。

 

私達産婦人科医は、忸怩たる思いでこの数年を過ごしています。

非常に有効なワクチンなのに、

悪いイメージがついてなかなか接種率が伸びていない…。

予防できるがんなのに政府・厚生労働省の方策により、

予防が進まない…。

 

子宮頸がんワクチン接種には、悪いイメージがついてしまいましたが、

現在でも決して禁止されているわけではありません。

政府の誤った方策により、勧奨再開がなされていないだけです。

政策が変わらず、報道もしてもらえない分、

私達が地道に叫び続けるしかないのです。

 

ワクチン接種は、子宮頸がんを予防するのに非常に有効な手立てです。

子宮頸がんワクチンを積極的に接種しましょう!!

子宮内膜症 (1)概説

  • 2017.12.09 Saturday
  • 07:15

子宮内膜症は、子宮筋腫と並ぶ2大婦人科良性疾患のひとつです。

今なお、婦人科の業界ではアツい議論が交されている病気です。

生理痛のひどい方は、子宮内膜症の可能性があります。

 

子宮内膜症の特徴は、…砲漾↓不妊、4皺修任后

痛み

生理痛や性交痛、排便痛、いつもお腹が痛い など。

不妊

不妊症の原因になります。人工授精から体外受精に移行する前に

手術で子宮内膜症の検索と治療を行うことさえあります。

癌化

卵巣に子宮内膜症が出来ると卵巣の中に血液が貯留して腫れてきます。

中に溜まった血液はチョコレートの様な色と性状になるので、

これをチョコレート嚢胞といいます。

比較的稀ではありますが、癌化することがあります。

癌化のリスクは年齢とサイズに比例します。

チョコレート嚢胞

 

生理痛を痛み止めだけで我慢し続けているとその発見が遅れ、

上記のトラブルを見逃すことがあります。

我慢し続けて悲惨な状態で受診したり、

あるいは救急車で搬送されて来る方も多くいます。

 

生理痛の改善と病変の進行を遅らせる目的で、

低用量エストロゲンプロゲステロン製剤(LEP)

いわゆるピルが大変よく効きます。

「ピルを飲んでいたら生理痛が楽になるらしい」

というレベルではなく、明らかに子宮内膜症を改善することが証明されています。

もちろん現在進行形で妊娠を希望している方には処方出来ません。

 

40代以上の方には黄体ホルモン製剤が大変よく効きます。

 

薬物療法が無効な重症例には、手術療法が行われます。

 

生理痛のある方は、ぜひ一度大鳥居医院へご相談下さい。

子宮筋腫 (1)概説

  • 2017.12.08 Friday
  • 18:00

子宮筋腫は、子宮にできるコブで、がん(悪性腫瘍)ではなく、良性腫瘍です。
子宮がん検診や、妊娠・出産時に、たまたま指摘されるケースが多いのですが、
無症状なら治療は不要なことがほとんどです。
ただし、子宮筋腫と診断された方は、閉経までは定期的(半年〜1年ごと)に産婦人科を受診して、
エコー検査などで経過を見ていく事をお勧めします。
いつのまにか何十個にも数が増えていたり、サイズが20僂らいになってから受診される方が、
しばしば見受けられるからです。
 
一方、良性であるはずの子宮筋腫でも、強い症状があれば治療が必要です。
その症状とは、月経量が多い、月経期間が長い、お腹の痛みや膨満感、腰痛が持続するなどです。
無症状でも、子宮筋腫が大きくなってくると(目安として7cm以上)、治療が必要となる事があります。
治療の原則は手術となりますが、今後妊娠を希望しているか、閉経が近いかなど、
個々の状況に合わせて、他の治療方法が選択される場合もあります。
 
また、子宮筋腫に似ているまれな腫瘍として、子宮肉腫という悪性腫瘍があります。
エコーだけでなくMRIや腫瘍マーカーを測定するなどして子宮筋腫との鑑別を行いますが、
これらの検査を行ってもはっきりしない場合があります。
その他、腫瘍サイズの急激な増大も子宮肉腫を疑う情報の一つとなりますので、
繰り返しになりますが、無症状でも定期的に診察を受けるようにして下さい。
 
子宮筋腫は、基本的には怖くない病気です。
気になる方がおられましたら、大鳥居医院にお気軽にご相談ください。
医師のアドバイスを受けながら、閉経までうまく付き合っていくようにしましょう。

ブログ始めました。

  • 2017.12.07 Thursday
  • 23:35

はじめまして。

大鳥居医院 産婦人科医師の睫醉諒燭任后

 

普段は近隣の総合病院で勤務しておりますが、

現在、水曜日(たまに土曜日も)のみ大鳥居医院で勤務しております。

 

このホームページとブログの管理人でもあります。

Goopeというサービスを利用して立ち上げたのですが、

これ自体がとても素晴らしいサービスなので、

ズブの素人が作ったわりには、なかなか良い出来になったな、と思っています。

トップページの赤ちゃんの写真は私の子供たちです。双子です。

 

さて、このブログでは、

妊婦さん、患者さんに対する情報発信を行って参りたいと考えております。

例えば

  • 赤ちゃんがお腹の中でよく動くんですけど苦しがってるんですか…? いいえ、よく動くのは元気な証拠と捉えて下さい。
  • 生理痛は痛み止めを飲んでいれば大丈夫なの…? 子宮内膜症が隠れているかもしれません。
  • 子宮がん検診って受けたほうが良いの…?  絶対受けて下さい!毎年受けましょう!
  • 40歳を過ぎても妊娠できますよね…? 自然に妊娠する方もいますが、確実に20代の頃よりは妊娠しにくいです。

など…。

 

これまで様々な患者さんに出会って来ましたが、

大変な思いをされた患者さんもたくさんいました。

正しい知識を持っていれば、こんなに苦しむことはなかったのに…。

女性特有の病気は多いです。

少しでも正しい知識を持っていただくことで、

皆さんの健康増進の一助になれば、と考えています。

 

どうぞ今後ともよろしくお願い致します。

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